2012年05月07日
都市伝説:完全防備のフルフェイス
仲間同士でのツーリングの途中、一人の男がハンドル操作をあやまった。
曲がりきれず、走る勢いそのままに転倒して、頭からガードレールに激突した。
ものすごい勢いで激突したので、仲間は大慌てで男の下へと駆け寄った。
「いてえ。ま、大丈夫大丈夫」
男はおどけたような仕草でムクリと起き上がった。
そして、陽気に仲間に手を振った。
仲間たちは、男の無事に安堵した。
これといって大きな怪我もないようだ。
「おいおい、しっかりしろよ。バイクの方は大丈夫かー?」などと、冗談交じりに、仲間は男をからかった。
「わりわり。ちょっとハンドル操作ミスっちった。ちょっと頭痛いくらい」
ずるっ
男がフルフェイスのヘルメットを脱いだ瞬間仲間たちから悲鳴が上がった。
ヘルメットをとった瞬間、男の頭部はぐにゃりと崩れ落ち、遅れて、男の身体もその場に崩れ落ちた。
さっきの事故の衝撃で、男の頭部はぐちゃぐちゃになっており、ヘルメットのおかげでなんとか形を保っていたのだった。
これが都市伝説、完全防備のフルフェイスです。
よく、兜は完璧だったけれど、衝撃で脳震盪を引き起こした、という話がありますが、もっとバイオレンスになったバージョンがこれでしょう。
人間の身体の形というのは、確かなようでいて、非常に不安定なものです。
激しい衝撃で弾け飛ぶ分子結合のように、衝撃を受ければ細胞同士も引きはがれてしまいます。
そういう意味では、まさしく、衝撃の伝わり方そのものが、衝撃的といえるでしょう。
Posted by 杉勝はさみ at 10:22│Comments(0)
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